動画に限ったことではなく、既存の制作物のクオリティに満足がいかずにブラッシュアップをご依頼されるケースはよくあります。
最近は動画編集を自社で行っていたり、趣味で作る人も増えてきました。
しかし、簡単にできることとクオリティの高さはイコールではありません。
自社の社員が専門の知識やスキルもなく制作した動画がパッとしない、なんかダサい、やぼったい、、、
そんなやぼったい動画を少しの工夫でよく見せる方法を紹介します。
前回はテロップのことについて書きました。
今回はその中でふれていたフォントのことをもう少し詳しく書きます。
フォントをうまく使うことによって、動画のクオリティが数段アップします。
前回この動画は悪い見本として紹介しました。
フォントがMSゴシックというWindows標準のフォントを使用しているため、やぼったく見えています。
また白色に黒フチというのも、映画の字幕ならいいのですが、フォントで魅せるような動画の場合、工夫が足りないとみられます。
まずはフォント選びから
フォントは世の中に無数にあります。
日本で使用されるものは日本語フォントと英語のフォントがほとんどですが、それだけでも相当数あります。
しかし、デザインに向いているフォントとなれば、だいぶ数が絞れます。
「フォント デザイナー」などで検索すれば、デザイナーに人気のフォントが出てきますので調べてみてください。
そしてフォントには無料と有料のものがあります。
有料では有名なモリサワフォントなどはデザイナーがよく使用していますが、趣味で動画制作している方や、会社で専門的にデザイン部がないところはおそらく高額なモリサワフォントのライセンスは持っていないでしょう。
その場合、無料のフォントを使用することになります。
無料フォントと有料フォントの違い
無料で配布されているフォントは数多くあります。
しかし、漢字の種類が少なかったり、商用などで使えないなど制限がある場合があります。
特にライセンス関係はしっかり見ておかないと、後に訴訟にまで発展する可能性がありますので要注意です。
無料のフォントでも源ノ角フォントなどは使いやすいです。
https://forest.watch.impress.co.jp/library/software/source_hansan/
使いやすいフォントとは
見た目がいいのはもちろんですが、フォントの太さの種類が多いと、そのフォントの汎用性が高くなります。
源ノ角ゴシックなどは細字から極太字まであり、ひとつのフォントでメリハリをつけやすくなっています。
フォントの選び方
では実際にフォントを選ぶとなると、どのように選ぶのがいいのか。
人気のあるフォントから選ぶ。
これは間違いではありません。
しかし、それだけではすべて同じフォントになってしまいます。
正解は動画の内容に沿ったものを選ぶ、です。
ポップなデザインにはポップなフォントが、スタイリッシュなデザインにはスタイリッシュなフォントが似合うはずです。
ゴシックがいいのか、明朝がいいのか、和風なデザインなら筆文字フォントなのか、その動画のコンセプトやデザインによって合わせる必要があります。
このマッチングがずれていると、違和感があり、やぼったくなってしまいます。
グラフィックデザイナーはフォント選びにすごく時間をかけます。
一枚目のフォントは源ノ角ゴシック、2枚めはHG創英角ポップというフォントを使っています。
モノクロでスタイリッシュなイメージがある写真に2枚めのフォントはすごくミスマッチです。
このように、フォントはデザインでは重要な要素です。
動画でも同じことが言えます。
次に清水寺の写真にフォントを乗せたものですが、1枚めは有料の「泥姫」というフォント、2枚めでは先程の良い例としてあげた源ノ角ゴシックを使用しています。
和風のデザインにすべて筆文字が合うとは言えませんが、こうして並べてみると筆文字のほうが清水寺っぽさがでています。
このように動画のイメージに沿ったフォントを使用することでクオリティに違いがでます。
何か作った動画がやぼったいと感じたらフォントをまず見直してみることで改善されるかもしれません。